#028 AI生成アートと著作権侵害について文化庁が指針を発表!(前編――著作権の基本)

#028 AI生成アートと著作権侵害について文化庁が指針を発表!(前編――著作権の基本)

AIを活用したイラストやコンテンツは著作権と両立できるのか? 著作権の基本とは?

2023/6/22


AI生成アートと著作権の基礎知識

こんにちは、文筆家/ライターの淺羽一( @KotobaAsobiComです。
先日――2023年6月19日に、文化庁が動画配信サービスを活用して『AIと著作権』と題したオンラインセミナーを開催し、人工知能(AI)による生成アートについて、現時点の考え方として著作権侵害になり得るパターンや著作権侵害に該当しないと思われるケースなどの解説を行いました。
これらはあくまでもセミナーが開催された時点における文化庁の指針であり、今後の議論や検討によって様々に変更される可能性はあります。しかし少なくともAI生成アートと著作権及び著作権侵害のリスクについて、現状のルールを把握しておくことはイラストレーターなどのクリエイターにとって重要といえるでしょう。
そこで今回は前後編として、前編(本記事)でAI生成アートと著作権の概要や著作権についての基本事項を、そして後編(次記事)では文化庁のオンラインセミナーの内容にもとづき、AI生成アートが著作権侵害になり得る条件や権利の考え方についてのポイントを解説します。



【AI生成アートと著作権侵害の関係は?】

AI生成アートとは、人工知能(AI)を使って自動的にイラストなどのコンテンツを生み出すシステムであり、またそうして誕生した作品です。
もう少し細かく言えば、AIによるディープラーニングなどの学習システムを活用して、既存のデータやさらに蓄積・更新され続けていく膨大なデータ(ビッグデータ)をベースにしながら、AIが新しいコンテンツを生み出すシステムであり、またはそのシステムによって生成されたアート作品を指します。
AI生成アートでは、インターネット上にある写真やイラストといった画像や、そこに添えられている文章などの情報を大量に収集・分析する「学習プロセス」と、学習したデータをもとにして利用者の指示に応じたイラストなどを出力する「生成プロセス」という、2段階で考えることがポイントです。

またAI生成アートでは既存のイラストや写真といった他人の著作物をビッグデータの一部として活用するという性質上、それらの著作者に対して著作権を侵害しているといった懸念があることも重要です。

【AI生成アートと著作権の関係は段階別に考える】

AI生成アートについて著作権侵害に当たるかどうか判断する場合、AI生成アートというシステムやプロセスに応じて段階的に考えなければならないとされています。
これは、前述したようにAI生成アートというシステムが、大きく分けて以下の2つのプロセスで構成されていることが理由です。

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